様様観察日記

書きたいこと

バーテンダー「あちらのお客様です」

こんにちはなすのです。幸運なことに、自分には非常に面白い友人が何人かいまして、

そんな彼らとの会話の一幕を物語風に書いていくシリーズです。話の内容はないようです。

 

教室でバーテンダーごっこをするはなし

 

私と私の友人3人の間でここ2年ほど常に流行り続けた伝説級の遊びがある。

ペットボトルを振ることである。炭酸入りジュース、炭酸抜きジュース、お茶、水、そんなことは私たちには関係ない。誰かがペットボトルを持ち込めば、ほかの全員が各々好きなように振る、そんな関係だった。関係ないようで結構重要な情報として、今回使用された飲み物はセブンプレミアムのゼロキロカロリーファイバーである。

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https://7premium.jp/product/search/detail?id=7336

普段だったらこの流れで話が広がることなどないのだが、今回は違った。一人がペットボトルをカクテルのように振ったのだ。これ自体は別に珍しくもなんともない。今までにも何度もあった。しかし、ここからが違った。

「あちらのお客様からです」

そう言って机の上をペットボトルが加速する。これが開戦の合図となった。

「あちらのお客様からです」

二人目が三人目に向けてペットボトルを滑らせる。ペットボトルを滑らせるとよくわかるのだが、学校の机とは結構小さいものだ。私たちは、自然と机の四つ角に立ち、適当な相手に向かってペットボトルを滑らせる。机の端ギリギリで止めると歓声が上がり、机から落とすと落胆する。そうしているうちに、一人が落としてしまった。すると落ちた角に立っていた人が、おもむろに床を指さして

「あちらです」

「やかましいわ」

これがきっかけとなり、流れが変わった。一度こうなると止まらないのが私たちだ。ペットボトルが机の上をすべる。それは机の端にきれいに止まった。

「こちらです」

「それはもう関係ないんよ」

「新手の賞賛方法?」

私たちとしては面白かったからそれでよかったのだが、このままでは、ずっとペットボトルを滑らせるだけでこの話が終わってしまう。しかし、それすらも杞憂に終わった。

ペットボトルはこれまでと変わらず机の端へと届けられる。しかし様子がおかしい。セリフがないのだ。今まであったはずの「あちらのお客様からです」というセリフが。到着後、我々の懐疑の念など気にもせずに静かに口を開く

「あちらのお客様です...」

一瞬場に静寂が訪れた。他の3人が状況を理解するために要した時間だ。

「し、死んだああああああああああああ」

「あちらのお客様死んじゃったよwww」

「このバーテンダーやべえw」

それぞれがそれぞれの反応を見せる。完全にツボにはまっている人もいる。そんな中でバーテンダーが追い打ちをかけるように口を開いた。

「グッバイ」

「やかましいわ!」

バーテンダーが歌うプリテンダーってか」

ここで終わればよかったのだが、

「感情のないアイムソーリー」

「続けんでええわ!」

ここでこのバーテンダーの物語に気が付く者が現れた。

「ということは...」

「どうしたん?」

「”君は綺麗だ”って...」

「あっ...」

「完全にサイコパス

どうやらこの物語をつづり始めたものもここまでは想定していなかったようだ。余談だが、Pretenderには「~のふりをする人」という意味がある。彼がバーテンダーのふりをした猟奇犯であることの証明を完了するものはこの場では現れなかった。

「そういえば”あちらのお客様”を渡されたお客様はどうなったの?」
「そりゃあもう”次はお前がこうなる番だ”ってことよ」

「やっぱりか...」

「ちなみにこのペットボトルの中身お客様の体液よ」

「俺の飲み物に対してそんなこと言うのやめて?」

「いい具合にオレンジ」

「もう飲みたくない...」

「レタス三個分ってあるけど?」

「なんかの隠喩やろ」

「その考えに至るお前が一番怖い」

「グッバイ」

「もういいってwww」

こんな具合で終了したバーテンダーごっこ。しかしここまでやってもまだペットボトルで遊ぶのがこの集団だ。次に始まったのは半分ほど中身の減ったペットボトルをキャップを開けた状態で机の上に寝かせギリギリこぼれない範囲まで飲んで減らすという、俗にいうチキンレースだ。ただし、ペットボトルの中身を飲んで減らさなければならないためプレイヤーは持ち主ただ一人、残りは観戦する流れになった。プレイヤーは一つ呼吸をおいてペットボトルに口をつける。その瞬間一人が動いた。狙いすましたかのような反応速度でペットボトルをつかむ。

「むんむんむんむんむん」

謎の呪文を唱えながらペットボトルを前後に動かしたのである。プレイヤーは必死に笑いをこらえながらペットボトルの中身の量を調節する。なんとも器用な奴だ。(故意の)ハプニングがありながらもプレイヤーが満足する量に中身を調節し終えた。3人が見守る中で慎重にペットボトルを倒し始めるプレイヤー。こちらから見ても彼の調節はほぼ完璧だ。プレイヤーの表情にも余裕が出てきたころに無事ペットボトルを机の上に寝かせることができた。その結果は...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ...」

「www」

机の上には少量の液体が見受けられる。人差し指でも拭き取れるような量だ。この量は私達からすると非常に惜しい、少ない量であったが、結果としてみるとその水滴は太平洋よりも大きかったのだ。

「こぼしちゃったからレタス三個分じゃなくなっちゃったねえw」

「この状況でそこ気にするの多分世界でお前だけだよ」

「しかもなんで偉そうなんだよ」

「レタス2.98個分じゃん」

「もうレタスはいいってwww」

そんな会話を交わしながら机上の太平洋を拭き取り、残った分もおいしくいただいてその日は解散となった。

 

 

 

あとがき

あらためましてこんにちはなすのです。いかがだったでしょうか。信じがたいことに実はこの話、95%実話なんですよ。さすがに信じられませんよね。私だったら信じません。しかしこんなことが起こってしまうのが高専なんですよ(初出情報)。高専といえば巷で噂の「呪術廻戦」という作品がありますけど皆さん見ましたか?私は見てないです。領域展開と高専が出てくるっていう情報しか知らないです。それすらも嘘だったらどうしましょうねw。それはさておき、こんなに面白い経験をさせてくれる友人たちには感謝の気持ちでいっぱいです。この記事を書こうと思った理由も、この体験があまりにも物語じみた内容だったからですね。これからもこんな感じで面白かった体験など物語にできそうなことがあれば記事にしていきたいです。(あんまりブログっぽくはないですが)。これからもこんな感じで自由にやっていくんでよろしくお願いします。それではまたいつか!